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ボールねじアクチュエータの精度にはどのような項目があるのですか?①

ボールねじアクチュエータの性能を表す5項目

ボールねじアクチュエータでは、以下5項目を規定化し製品の性能を表しています。

①繰返し位置決め精度
②位置決め精度
③走り平行度
④バックラッシ
⑤起動

ここでは、位置決めに関連する項目として上に示した項目の①②③について説明していきます。

ボールねじアクチュエータは、ボールねじを駆動要素として組込んだ直動ユニットですので、そのボールねじが大きなウェイトを占める位置決めに関する性能を数値で示す必要があるのです。

そこで位置決めを示す性能として、①任意の位置に同じ方法から位置決めを繰返して停止位置を測定する繰返し位置決め精度と②基準位置から目標位置と実際の停止位置との差の絶対値を測定する位置決め精度の2つを規定しています。

それぞれの詳しい測定方法は以下をご覧ください。

①繰返し位置決め精度の測定方法

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任意の位置に同じ方向から位置決めを7回繰返して停止位置を測定し、読みの最大差の1/2を求める。
この測定を原則として、移動距離のほぼ中央および両端のそれぞれの位置で行い求めた値のうちの最大のものを測定値とする。

②位置決め精度の測定方法

ボールねじアクチュエータの位置決め精度測定方法
一定向きで適当な位置決めをし、これを基準位置とする。
次に同じ向きへ位置決めを行い、基準位置から実際に移動した距離と移動すべき距離の差を測定する。
これをストロークのほぼ全域に渡って行い、基準位置から実際に移動した距離と移動すべき距離の差のうちの最大値を測定値とする。

③走り平行度

走り平行度を簡単に言うと、スライドブロック上面の部品取付面の高さがスライドブロックの位置に関わらず、どれだけの許容範囲にあるかを数値で示したものです。
この精度には測定基準の設置方法の違いによって2種類の方法があり、一つは『走り平行度A』と言って、ベースまたは定盤上に基準を置きスライドブロック上面に測定子を当て測定する方法、
もう一つは『走り平行度B』と言って、スライドブロック部に基準を置きガイドレールを取付けたベースまたは定盤上に測定子を当て測定する方法があるのです。

この2種類の使い分けについては、X-Yステージのような測定面(テーブル)が大きいものを測る場合は『走り平行度A』が有効ですが、ボールねじアクチュエータでは一般的にストロークに対して測定面(スライドブロック長手寸法)が小さいですので、このような場合はストローク全域を評価できる『走り平行度B』を用いているのです。

●走り平行度B

ボールねじアクチュエータの走り平行度B

スライドブロック中央にテストインジケータを固定し、ガイドレールを取付けた定盤上にテストインジケータの測定子を当て、スライドブロックを移動距離のほぼ全域に渡って動かしたときのテストインジケータの読みの最大差を測定値とする。

(参考1)走り平行度A「ボーるねじアクチュエータの場合」

ボールねじアクチュエータの走り平行度A

定盤上にテストインジケータを設置し、スライドブロック上面に測定子を当て、スライドブロック長手方向の移動測定可能範囲内で読みの最大値を測定値とする。
ボールねじアクチュエータでは測定可能範囲が僅かとなるため、例外を除き測定方法は走り平行度Bを用いる。

(参考2)走り平行度A「X-Yステージの場合」

X-Yステージの走り平行度A

定盤上にテストインジケータを設置し、テーブルの中央に測定子を当てX方向およびY方向への移動範囲全域に対する読みの最大値を測定値とする。

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