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軸方向すきまとは何ですか?

ねじ軸とナットは、下図のように斜めの点線であらわしたような接触角をもってボールに接しています。


軸方向の移動量は、接触角が反対になるまでの距離ですので、軸方向すきまの1/2が図で示される寸法となります。

従来のすべりねじ(三角ねじ、台形ねじ等)は、軸方向すきまを小さくしたり、ゼロにしたりするとねじ軸を回転させる力(駆動トルク)が非常に大きくなって、大きな動力を必要とするなどの欠点があります。
またすべり接触である為、使用中の摩耗が多く所定の軸方向すきまを維持することが困難となります。ボールねじの特長は、ねじ軸とナットの間にボールが介在する『ころがり接触』のためすきまをゼロとした場合でも、駆動トルクの増加はすべりねじに比べて非常に小さいことがあげられ、バックラッシ(※1)を問題にする装置(工作機械など)の送りねじ(※2)に適した機械要素といえます。

軸方向すきまを問題としない装置(荷物を移動させるだけの搬送用装置など)の送りねじには、適切なすきまを持たせることで駆動トルクや運転による発熱を抑えるメリットが得られる場合があります。

ボールねじの軸方向すきまは、0.005mm以下、0.010mm以下、0.030mm以下や0.20mm以下などがあり、用途によって適正なすきまを選定することが必要となります。

※1 バックラッシとはすべりねじや歯車のようにお互いにかみ合い(嵌り合って)運動する機械要素に必要とされる『すきま』のこと。
※2 モータの回転を直線運動に変換する『送りねじ』はその用途上、軸方向のすきまがゼロであることが望ましく、バックラッシの無いもの(少ないもの)が求められています。

bs015.JPGのサムネイル画像
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