ページ内を移動するためのリンクです

どうして寿命が分かるの?

ボールねじの寿命は、ボール転動面あるいはボールのいずれかに、繰返し応力による疲労のために「はくり現象」が生じ始めるまでの総回転数をいい、基本動定格荷重(C)から求めることができます。
基本動定格荷重とは、一群の同じボールねじを運転した時に、そのうちの90%が「はくり」を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重をいいます。

回転速度が10min-1以下の低速回転の場合には、基本動定格荷重を使った計算をすると大きな誤差が生じ、好ましくありません。低速回転に対する寿命は、基本静定格荷重(C0)からボールねじを選定してください。
基本静定格荷重とは、ある大きさの静止荷重により生じる鋼球とねじ溝面の永久変形量の和が、鋼球径の0.0001倍になるような軸方向荷重をいいます。

ボールねじの寿命時間の計算

ボールねじの寿命時間は計算することができます。
寿命時間は、必要以上に長く設計するとボールねじの寸法が大きくなるばかりでなく、価格も高くなりますので、適正な寿命時間を設定しなければなりません。一般的には次に示す寿命時間が標準とされています。

標準寿命時間と寿命時間計算式

寿命時間を超えた場合の剥離の進行状況

ボールねじが寿命時間を超えた場合のはくり(剥離)の進行状況は、疲れ寿命試験結果から次のようなことがわかっています。
最初はナットのねじ溝面に、ほぼ円形の0.2mm程度のピッチング(pitting)ができ、その周囲にクラック(crack)の発生と成長が続いて、やがて、ねじ溝全面がフレーキング(flaking)状に変わってきます。

bs026_02.gif

※写真出典元:井澤 實 著『ボールねじとその応用技術』(工業調査会・刊)

ページ上部へ

ページの終わりです