ボールねじの騒音について知りたい
機械装置の高速化や環境の変化から、ボールねじの低騒音化への要求が強くなっています。
現在ではFA・OA機器や工作機器に使用される場合でも、より騒音の少ないボールねじが必要とされています。
ではボールねじが一般的にどのくらいの音を出すものかというと、種々な音のレベルから見ると普通の会話(65dB位)からセミの声(80dB位)や自動車の音(100dB位)等と同等な音圧レベルにあります。
ボールねじの騒音の発生要因は、主に『ボールねじ自体から』、『ボールねじの取付精度から』、『機械系全体として』の3つがあげられます。
1.ボールねじ自体から
ボールねじは、ボールが転がりながら循環するわけですから、ボールがねじ溝面をころがる時やチューブ等の循環部品を通過する時の音などが避けられないものです。
この中で騒音に大きく影響するのは、ねじ溝面の微妙な「表面の状態」や「うねり」であることが、研究からわかってきました。
2.ボールねじの取付精度から
ボールねじは、機械装置の中に取り付けて使用しますが、取り付ける際に平行度や直角度などの精度不良があると、偏った荷重によって異常音が発生します。この異常音は、いったんボールねじを取り付けているボルトをゆるめて作動させ、騒音レベルが低下するかどうかで確認できます。
3.機械系全体として
ボールねじを含めた機械系全体として、共振現象を起こす場合もあります。駆動モータや検出器、機械装置の剛性不足などが騒音の原因となります。
KURODAでは、永年にわたってボールねじ自体に起因する騒音の研究に取り組み、ボールねじの低騒音化に挑戦しています。
- 転動面形状精度の向上
- 転動面うねりの減少
- 仕上げ面粗さの改善
- 循環部の合理的設計
により従来品に比べ大幅な低騒音化を実現し、事務所内で使用される自動製図機、OA機器のみならずロボット、工作機械などの低騒音化に貢献しています。
