なぜボールねじの長さの制限があるのですか
ボールねじの長さの制限は、JIS規格では特に規定されていません。
JIS規格では標準的な加工方法で製作ができる範囲での精度等が決められており、その範囲外の長さの場合はメーカー独自の規格によって管理されることが多いためです。
軸の製作長さが制限される要因としては、
- 軸の細長比(軸長/軸径)が大きいもの
ねじ軸は長く、細く(軸長/軸径の比率が大きい)なるほど製作が困難になるため一般的には、軸径が小さいものは製作長さの限界が短くなります。
- 軸の精度等級が高いもの
軸の精度等級が高ほど、軸に許される振れ精度が厳しいため長い軸の製作が難しくなります。(軸長全域で精度等級毎の許容値を満たす必要があるため)
また、細長い軸は許容回転数(軸の危険速度=軸の固有振動数)や軸方向荷重に対する座屈荷重が低く(小さく)なり、ボールねじの使用条件として適さないケースが多いため、不必要に長い軸を製作することはありません。
2本の同じ軸径のボールねじを比較した場合、一般的に以下のことが言えます。