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ボールねじの推力について教えてください②

前回、ボールねじの「推力」は「同じ力でよりスムーズに動かすことができる」と説明しましたが、なぜそのような特徴を備えるのか簡単に説明したいと思います。

 まず、「同じ力でよりスムーズに動かすことができる≒機械効率が高い」ということですが、機械効率と推力には密接な関係があります。これはボールねじがある特徴を備えているためです。

 すべりねじの一種である台形ねじや三角ねじはねじ軸とナットで構成されていますので、ねじ軸を回転させた時、軸とナットのおねじとめねじがある程度密着し、互いにこすり合いながら動きます。(図1左側)
ボールねじはねじ軸もナットもめねじであり、その2つのめねじの間をボールが転がって案内するため非常にスムーズに動くことができ、より多くのエネルギーを推力に変換することができます。(図1右側)

bs010.gif

図1 摩擦抵抗のモデル

ボールねじの場合、機械効率90%以上ありますので100の入力エネルギーでねじ軸を回転させた場合、9割が推力(≒仕事)に変換されます。

一方、すべりねじは機械効率30%のため、100の入力エネルギーに対して3割が推力(≒仕事)へ変換されます。 自動車で例えれば、使用する部品の機械効率が高くなると、エンジンの出力を駆動力に変換できる割合が増えるため燃費が向上します。  摩擦抵抗を軽減するため2つの物体の介在にボールや円筒形のもの使用するのはピラミッドに使用する石材の運搬等にも利用されるほど古くから知られています。
「古きを知り~」とは言い過ぎかもしれませんが、古代から現在まで同じ原理を利用しているのはとても興味深いですね。

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